練馬区立美術館:PLATFORM 2011
http://www.city.nerima.tokyo.jp/manabu/bunka/museum/tenrankai/platform2011.html
幅広い視野で現代美術の動向の一端を紹介する、と言う趣旨の企画展。
今回で二回目だそうです。
佐倉市美術館でやっているカオスモス展に近いものがありますね。
地方の(いや、23区内ですが)美術館でやってるってのも共通点。
練馬には縁が無くて、練馬駅があるというのもこれで知りました。
浜田涼
小林耕平
鮫島大輔
の三人の作品が見られます。
鮫島は球体に描いた絵画作品が特徴的。
平面作品も含めて、どの作品を見ても人の姿がほとんど見られない。
だからと言って人の気配がないかと言うとそうでもない。
シャッタースピードを落とした写真みたいな印象とでも言いますか。
浜田は写真作品。
写真の上からアクリルを貼ってあり、細部が明確には見えない。
通常は写真を見ることで、他人の記憶だったり経験だったりを追体験したような気になるはずなのに、それができなくてもどかしい。写真を見ているんじゃなくて、奥底に埋もれてしまってうまく思い出せない自分の記憶と向き合ってるみたいな気がしてくる。
「大切な人の写真を持っていますか?その写真の表情意外に、その人の顔を思い出せますか?」と言う作品があるが、つくづく自分は人の顔を覚えてないな、と言う事実を突き付けられる。過去の恋人の顔の特徴を告げて警察の似顔絵かきに再現してもらうと言う作品がTWS本郷にあったが、これなんかやったら全然説明できない事間違いなしだ。
小林は主に映像作品。
わかるようなわからないような、そんな手触りの動画が続く。
「目の前にあるものが、何かのきっかけで何一つ理解できなくなる状態になることがある。そのことは作品を作る上でとても重要な手がかりである。」
と言うのは作家の言葉だが、ゲシュタルト崩壊的な状態に陥ることで、型にハマった見方から脱却できるという事ならば頷ける。
六本木クロッシング2007にも参加してたそうだけど思い出せないなあ。
「運送としょうゆとかぐや姫と先生とライオンと吉田君」
は伝染るんです等の不条理作品が好きな人はたまらないと思う。
「この場にあるものを3つ選びそれを一つの単位とし活用する」
と言った感じで、文章の一部を見れば意味がわかるが全体としてはどうしようもない感じの指示文と色々な物が置かれたインスタレーション作品。
とくに似てるというわけではないんだけど、PC-98時代のフリーソフト(いや、有料だったかしら?)「やさしくしてね(By ほんわかソフト)」を連想した。
なかなか良かったですよ!